自立した老いとは 恩師の書簡より       その13       

 平成19年(‘07年)2月5日  加藤さん 96歳

 暖冬どころか「厳冬」とでも呼びたい程寒さ知らずの冬が、このまま終わりそうです。
 老人にはありがたいことですが、幼い頃から慣れ親しんだ冬には、やはり寒い冬のほうがなんとなく落ちつく思いです。
 
 ところで体調はいかがですか。気力充実の貴兄のこと、すっかりお元気のことと拝察しております。暖かい春ともなれば、山登りがしたくなることでしよう。

                                  小生も  相変わらずの日々を送っています。歩行困難は変わりませんが、歩く努力をしなければ、いよいよ歩けなくなるばかりなので、つとめて歩く努力を続けたいと思っています。一日一時間を願っていますが、どこまで続くことでしょうか。
 
 老化の進行は歩行だけでなく、体力、能力、知力すべてに及びます。
 この頃は視力の低下から来る不便に悩まされております。左右の視力差が大きくなり、絵も字もひどく書きづらくなりましたし、距離感がとれないため、あぶなくてなりません。
 あれこれとグチを並べても仕方のないこと、これが老人の宿命とあきらめています。昨日はあきらめて知事選の投票に行って来ましたが、やはり疲れました。

 文通をする知人、友人もすっかり少なくなり、さみしい思いをしています。

 庭に植えた「ヒメ・サザンカ」の木が、やっと白い小さな花をいっぱい咲かせてくれました。暖冬のせいか「ヒガンバナ」の葉が、わがもの顔に茂っています。
 「ツバキ」の花もすぐ開きそうですし、朴(ほお)の木の芽も大きくなりました。

 春のめぐり来るのは、何才になっても嬉しいものです。元気を出して頑張らなくてはと思っています。
  
     節分の日に                      盛夫生

    原田 将司  雅兄

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95歳の加藤さんが原田さんに送られたメモ書きです。


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